審美系スポーツ競技種目では、技の正確さ・表現の豊かさや美しさなどがパフォーマンスの良し悪しの基準となります。そのため、体重や体型を維持・管理しようとする高い意識や欲求が摂食障害のリスクを高めると報告されています。中でも摂食障害の発症率が高いダンスの世界では、8人に1人が拒食症や過食症を患っているとされ、バレエでは発症率が6人に1人と、さらに高くなっています。その背景には、ダンサーに適した性格・性分、痩せを崇拝する業界、そして過度なトレーニングなどが関係しています。
本講座では、摂食障害を専門とする心理士と管理栄養士が、ダンス競技者に生じやすい心理的・栄養学的問題とその対処法について考察。ダンサー本人および指導者や治療者を対象に、ダンサーの健全な活動・実践に寄与するための治療と指導法について解説します。さらに、実際に摂食障害を体験したダンサーや指導者をゲスト講師に招き、実体験に基づくダンス業界特有の危険因子と予防因子、治療に対する考えやアイデア、今後必要な取り組みについて情報を提供していただきます。
▼参考文献
J. Arcelus, G. Witcomb, A. Mitchell.Prevalence of eating disorders amongst dancers: a systemic review and meta-analysis.European eating disorders review.2014 Mar;22(2):92-101.
▼講義
2025年6月15日(日)10:00〜12:00 オンライン(zoom・100名限定)
*ライブ配信チケット購入者には、ゲストの講演パートを含む1ヵ月間のアーカイブ視聴を提供します
*本講座は講師パートのみ録画し、後日、コエテコカレッジ(https://college.coeteco.jp/s/taste)にて販売します。その際、ゲストの講演パートは、録画映像ではなく、講義内容を文字起こししたPDFで提供します。
▼料金
10,000円(税込)
▼お申し込み
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02wscn6a9xb41.html
▼本講座の対象
ダンサーご本人やご家族、バレエやダンス等審美系スポーツ競技種目の指導者、摂食障害治療にかかわる専門職(精神科医、心療内科医、小児科医、臨床心理士、公認心理師、看護師、栄養士/管理栄養士等)、教育・福祉職など
▼プログラム
1)はじめに
・ダンサーに関する統計および栄養についての情報
・ダンサーを取り巻く環境がなぜハイリスクとなるのか
2)経験者のお話と質疑応答
3)考察と提案:心理士の立場から
・ダンスと摂食障害はどうして出会ってしまうのか
・ダンスレッスンを受ける我が子のサポート実例
4)考察と提案:ダンサー・アスリート専門管理栄養士の立場から
・摂食障害を予防する食事とは
・ダイエットをしないということ
5)まとめ:周囲がどのようにサポートすべきか
6)質疑応答
▼講師
荻原かおり
東京インターナショナルサイコセラピー・二子玉川オフィス、臨床心理士、公認心理師 https://www.tip-nikotama.com
染原風生
DDD Centre for Recovery 代表、ダンサー・アスリート専門管理栄養士、摂食障害治療専門管理栄養士 https://dddcfr.com.au/
▼ゲスト
佐藤愛
DLS(Dancer’s Life Support.Com)代表。元豪州バレエ学校専属治療家、解剖学、エクササイズ講師。Dancer’s Life Support創立者として、エビデンスベースのバレエ上達と安全な指導法を伝える。著作多数。
大守美賀
カナダナショナルバレエ学校に留学。卒業後、カナダ、ドイツ、デンマーク、フランスのバレエ団で踊る。現在はディズニーランド・パリにてダンサーとして活躍中。摂食障害(過食)に悩まされた経験を持つ。
小笠原麻子
臨床心理士・公認心理師
4歳から17歳までバレエを続けた娘を見守りつつ、発達に応じた情報の取得や価値観の涵養、バレエとも食べ物とも無理なく付き合う方法について模索してきた保護者。